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【ネパール洪水】被災地で救援物資配布・医療支援

2026.08.31

アジアパシフィックアライアンス(A-PAD)はネパールで発生した大規模洪水・土石流の被災地支援のため、第1陣が2026年8月27日にカトマンズ入りし、28日に被災地ヌワコット郡にて現地調査を行いました。29日からは現地行政の活動許可を取得したうえで2チームに分かれて物資配布や医療支援を実施しました。

以下、8月29日〜30日の緊急支援活動についてご報告します。

救援物資支援

2026年8月29日、A-PADはカトマンズで約300人分の救援物資(食用油、米、小麦粉、ビスケット、豆、スパイス、石鹸、生理用品、歯ブラシなど)を調達。

その後、ヌワコット郡ビドゥールで政府関係者と面会し、支援物資の登録と、ラスワ郡へ直接物資を届けるための調整を行いました。その間、ビドゥールの町へ徒歩で入ろうとしましたが道路が寸断され通行不能であったため、以降ベトラワティへは迂回路を使うことにしました。

ヌワコット郡ビドゥールの被災状況

トラックに物資を積んだチームは29日午後3時頃ビドゥールを出発。ラスワ郡カリカスタンを目指し、迂回路を進みますが、雨の中、岩だらけの悪路と各所で溢れる水により道は寸断され、2台の車両が同時に通行できない状況でした。雨と増水で水位が床近くまで迫るなか、水が引くのを待って約3時間、その場で足止めを余儀なくされました。

そして、30日午前5時にようやくカリカスタンへ到着し、物資を無事に引き渡すことができました。現地のシュリー・ニーラカンタ高等中等学校は、政府の物資受け入れ拠点として使われており、在籍する550人の生徒のうち、120人が家族を亡くしました。行き場を失った生徒たちは親戚の家に身を寄せているほか、約30人は他の施設に滞在し、地元の人たちが世話をしています。

シュリー・ニーラカンタ高等中等学校(Shree Neelakantha Higer Secondary )

また、避難所を訪問して必要な支援について確認したところ、食料以外で特に優先度が高いニーズは以下の通りです。

・衛生キットの追加供給

・寝具・リネン類(毛布、マットレス、タオル等)

・調理用LPガス 

・全住民向けの衣類、靴、サンダル

・ソーラー式ランプおよび充電器

現地では、ほぼあらゆる物資が不足しており、中でも電力の確保が最も急務とされています。

さらに、ヌワコット郡ベトラワティを訪問。地区全体が壊滅し、幹線道路、学校3校、行政施設、商店、住宅がほぼ全て失われました。川が氾濫し、水位は約15メートルも上昇。土砂と瓦礫を伴い、川幅は数百メートルに及び、依然として流れ続けている状態でした。

壊滅的な被害を受けたヌワコット郡ベトラワティ


被災地には少しずつ各所からの支援が入り始めているものの、北部などは依然としてほぼ孤立した状態にあり、中長期的な支援が必要です。

 

医療支援

並行して2026年8月29日、A-PADの別班はカトマンズにてNepal APF Hospitalを訪問したほか、現地の医療関係者とのミーティングを実施。被災地の地理的な脆弱性や、深刻化している医療物資不足を把握し、支援物資をどう投入していくかを協議しました。

Nepal APF Hospitalを訪問

ネパール医師会のメンバーでもあるDr. Kalu Singh Khatri(BDS, MDS)は、洪水後の公衆衛生の課題がかなり深刻だと指摘。水が引いた後にこそ、新たな健康リスクが表面化してくると強調しました。また、被災者の多くが日常的に服用していた処方薬を置いて避難したため、非感染性疾患(NCDs:糖尿病・高血圧など生活習慣病)が治療できない状況にあります。

一方、外傷による負傷者への対応(トリアージ)の必要性はほとんど見られない状況が確認されたため、薬を必要とする被災者向けの医薬品支援を優先度の高いニーズとして対応していくことにしました。

A-PADは現地の医療従事者から必要な医薬品のリストを集め、調達を実施。また、既存のネットワークを通じて、以下の拠点で医薬品等の物資支援を行うことにしました。

・ヌワコット郡ビドゥール トリシュリ・バザール (Trishuli Bazar)

・ヌワコット郡デヴィガット(Devighat)

・ダディン郡ベニガット (Benighat)

8月30日、カトマンズからヌワコット郡ビドゥールまで車で約2時間半を移動。そこから先は、洪水で道路が損壊していたうえ、車両の乗り入れが全面的に制限されていたため、最後の約1kmは徒歩で向かいました。また、周辺は軍の警備が配備され、民間人や報道関係者、外国人の立ち入りは厳しく制限されている状態です。

ヌワコット郡ビドゥールの被災状況

A-PADはヌワコット郡トリシュリの軍事訓練センター内にある野戦病院、および同郡ビドゥール・デヴィガットのアーユルヴェーダ・代替医療病院センターにて物資の引き渡しを実施。糖尿病、高血圧、喘息、高脂血症、胃潰瘍の治療薬に加え、風邪や皮膚疾患など一般的な症状への薬、衛生用品(マスク、抗菌石鹸、生理用品)を支援しました。対応患者数は2拠点合わせて300人(各拠点150人)、一人あたり10日分の治療をまかなう想定です。

ヌワコット郡トリシュリの野戦病院に医薬品・衛生用品を支援


今後の医薬品供給は行政等のネットワークを経由して実施するほか、追加の支援物資として高タンパクの緊急食料品、電力供給、毛布、靴、タオル、石鹸、衣類などの拡充も計画していきます。

また、A-PAD は第2陣による医療支援を予定しており、その後の復旧・復興支援についても検討を始めているところです。引き続き、現地のニーズを踏まえた支援を継続していきます。

 

◎ネパール洪水 被災地支援活動へのご寄付を受付中です

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