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【A-PADバングラデシュ】国際シンポジウム・パネルトークのご紹介

2025.10.23

2025年10月21日、バングラデシュの首都ダッカで、A-PADバングラデシュとCIS (Community Initiative Society)は国際シンポジウムを開催しました。

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今回のテーマは、「温暖化する地球、紛争、危機管理:変化する世界におけるレジリエンスの構築と国際協力」

シンポジウム後半は2つのテーマでパネルトークが行われました。各パネリストの講演内容をご紹介します。

 

◆パネルトーク1「国際的パートナーシップを通じた気候脆弱性の高いコミュニティにおけるレジリエンスの構築(パネリスト5名)

▽庄司いずみ氏(JICAバングラデシュ事務所・次長)

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テーマ「気候変動へのレジリエンスにおけるグローバルな取り組み:グローバルネットワークと交流の役割」

・レジリエンスはコミュニティと「共に創る」もので、押し付けるものではない

・JICAのSHEPプロジェクトは作物の多様化と相互学習を通じて農家の適応を支援

・気候レジリエンスは輸入できない—地域で育て、グローバルに支援する必要がある

桑名恵氏(近畿大学 国際学部・教授)

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テーマ「気候変動に脆弱な生態系における早期警報システム強化と防災のための国際的・国境を越えたパートナーシップ」

・人道支援資金のわずか1%のみが予防的行動に充てられている

・日本の「Good Links」プラットフォームは災害システムを年間通じて機能

・課題:予防は目に見えない防いだものを測定する新しい指標が必要

Mr.Shams Mansoor Ghani(ブラック大学 災害管理学部・助教授)

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テーマ「レジリエンス構築の取り組みの有効性の評価指標」

・レジリエンス測定のための7つの指標カテゴリーを提示:社会、経済、環境、インフラ、適応能力、保健、ガバナンス

・ 効果的なレジリエンス構築には体系的なモニタリングが不可欠

Dr.Gazi Jased Ahmed(ダッカコミュニティ医療大学・教授)

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テーマ「バングラデシュからの教訓:洪水多発地域における国際パートナーシップによるレジリエンス支援」

・バングラデシュは世界で最も気候脆弱な国

・主要パートナーシップ:JICA、DFID、UNDPがインフラ、早期警報、生計を支援

・早期警報システムにより洪水による死傷者が大幅に減少

・課題:異常気象の頻度増加、持続可能な資金が必要

Ms.Fahmida Alam Bintu (ノアカリ科学技術大学・助教授)

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テーマ「ジェンダーと紛争への配慮:危機における二重の脆弱性」

・災害時、脆弱な立場に置かれる女性や子どもを守るため、平時から女性のリーダーシップや社会参加の促進を

・防災や災害対応の取り組みには地域のパートナーシップ、ジェンダーへの配慮の視点が必要

各パネリストは、国際協力と持続可能な開発を通じてコミュニティのレジリエンスを強化する革新的なアプローチを共有しました。


パネルトーク2「人道支援プログラムと危機管理計画における紛争への配慮」(パネリスト5名)

Ms.Tahela Ahsan(日本バングラデシュ商工会議所・事務局長)

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テーマ「コミュニティ主導の人道支援と人道的緊急事態への備え」

・災害時に最初に対応するのは地域コミュニティ—国際援助ではない

・事例:CPPボランティア、洪水時のボート輸送、COVID-19の若者主導の救援

・必要な行動:地域の主体性、地域知識の活用、持続可能性の確保

フィルザン・ハシム(A-PADスリランカ代表兼A-PAD COO)

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テーマ「人道危機におけるソーシャルメディアの役割:誤情報、偽情報、そして紛争に配慮したコミュニケーションへの対応」

・ソーシャルメディア = 反応的から予防的対応へのパラダイムシフト

・主なリスク:誤情報 vs 偽情報—政府情報源を通じてフィルタリング

・A-PADは企業の連絡窓口を通じて94,000人以上の従業員に到達

Mr.Muhammad Ferdaus(ブラック大学・災害管理コーディネーター)

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テーマ「紛争に配慮したプログラムと紛争予防のための地域能力構築における若者の関与」

・若者 = バングラデシュ人口の1/3、強力なボランティアの資産

・CPPボランティアは金銭的インセンティブなしで活動—純粋なコミュニティの誇り

・必要:若者を実施だけでなく政策レベルの意思決定に参加させる

・ロヒンギャ危機:120万人を受け入れ若者の能力開発が必要、さもなければ内部紛争のリスク

Prof.Dr.Mohammad Mohinuzzaman (ノアカリ科学技術大学・環境科学災害・管理学部長)

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テーマ「危機における子どもの保護:子どものためのコミュニティ主導の人道支援と備え」

・バングラデシュでは年間40,000人の子どもが溺死

・沿岸部の子どもたちが直面する問題:栄養失調、疾病、心理的トラウマ、特別な災害施設なし

・必要:子ども中心の早期警報、文化的に適切なインフラ、メンタルヘルス支援

・コミュニティは障害のある子ども・若者を計画に参加させる必要がある

アテア・M・ペナロサ(A-PADフィリピン・事務局長)

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テーマ「地域主導 vs. 国際支援:レジリエンス構築におけるバランスのとり方」

・「可能な限りローカルに、必要な範囲で国際的に」

・コミュニティは自らのリスクを最もよく知っている—最初に対応し、最後まで残る

・国際的な役割:地域のリーダーシップを可能にすること、置き換えることではない

 

各パネリストは、人道支援活動に紛争への配慮を統合するための戦略について、新技術の採用やソーシャルメディアなどの活用を提示しながら、包括的な危機対応の重要性を強調しました。

パネルトークを通じて、参加者は気候変動、政治的紛争、人道危機がどのように交差しているかについて、多様な角度から知見や認識を深めることができました。この学びをそれぞれのフィールドで生かし、災害や気候変動へのレジリエンスの強化につなげていきます。