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【A-PADインドネシア】チアンジュール地震から1年半、ジャカルタで研修を実施

2024.06.03

2022年11月に発生したインドネシアのチアンジュール地震から1年半が経ちました。

チアンジュールは首都ジャカルタから90kmほど離れていますが、ジャカルタでも約7秒間の揺れが観測されました。ジャカルタの労働人口は約700万人、ジャボデタベック首都圏 では約2,400万人にのぼり、発災時には労働者が行き交う街がパニックに襲われました。

また近年、ジャワ島とスマトラ島との間にあるスンダ海峡で最大でマグニチュード8.5~8.8の地震が発生する「メガトラスト地震」の可能性が予測され、ジャカルタに多大な影響が出る可能性を秘めています。しかし、建築物の75%が耐震基準を満たしておらず(バンドン工科大学の地震専門家による調査結果)、さらには95%の世論がその実態を知らないという調査結果もあり、インドネシアでは今、国をあげて災害リスクマネジメントの見直しを進めています。

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大規模災害時に民間企業を含む様々なセクターが連携して対応する緊急支援チームの能力強化が求められる中、5月14日、A-PADインドネシアは首都ジャカルタで、能力強化研修を実施しました。研修はジャカルタ特別州地方防災局とサーベイヤー・インドネシア(PT Surveyor Indonesia)と協力し、企業や自治体の職員ら約30人が参加しました。

東ジャカルタの市庁舎やクラマット・ジャティ市場、南ジャカルタにあるパシフィック・プレイス・モールなど、主要な建物の耐震性構造や避難経路の確認などに焦点を当て、テストハンマーとタッチスクリーン・プロフォメーター(鉄筋探査機)を用いてシミュレーションを行いました。

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2000年以前に建てられたジャカルタの高層ビルは、マグニチュード9の地震が起きると大きな被害を受けることが分かっているため、大都市ジャカルタの重要なインフラの安全性を確保する上で重要な研修となりました。

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また翌16日と17日には、安全衛生啓発ワークショップを実施し、企業の職員ら約130人が参加しました。

インドネシア政府は、1970年労働安全法第1号に基づき、企業の労働安全衛生実施義務を規定していますが、各企業の努力レベルにとどまっており、労働者の安全が確保されていないケースが多くあります。

そこで今回、ジャカルタ特別州地方防災局のレスキューチームと、不動産や金融など多種にわたる大手企業のアルタグラハグループと協働で、労働安全衛生啓発ワークショップを実施。企業の職員らが職場でのリスクを管理し、地震などの災害時にも事故ゼロを達成できるよう、ジャカルタのオフィス街であるSCBD地区(スディルマン中央ビジネス地区)の有事の際の動きについて議論しました。

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