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【A-PADインドネシア】西ジャワ地震から半年、地域の復興に向けて

2023.04.19

インドネシア・西ジャワ州で昨年11月21日、マグニチュード5.6の地震が発生し、多数の死傷者が出ました。発災から半年が経ち、ライフラインは復旧しつつありますが、広範囲の被害を前に、まだ支援の手が届いていない地域が多くあります。

A-PADインドネシアは、発災直後からパートナー団体と連携して支援活動を続け、今年2月からは、ジャカルタ ジャパン クラブの支援を受けて、特に被害の大きかったチアンジュール県チュグナン郡の4村で、「水・衛生」「仕事復帰サポート」「仮設住宅の建設」の3分野で支援を行っています。

インドネシアから現地レポートが届きました。

 

パイプや貯水タンクを整備し、清潔な水を届ける

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被災前に生活用水として使用されていた地下水は、断層のずれに伴い断水し、多くの地域で清潔な水へのアクセスが困難な状況となっていました。

川の水や下水が混ざった不衛生な水を使わざるを得ない中、被災地では下痢や皮膚疾患をはじめとする健康被害が多数報告されています。A-PADインドネシアは、長期的に使える質の高いパイプや貯水タンクを整備し、湧き水や地下水などを水源とした清潔な生活用水を届けられるよう支援しました。合わせて、沐浴や洗濯、トイレなどの機能を持つ「MCK」と呼ばれる施設を設置しました。

支援した4村の一つ、2,093世帯・8,029人で暮らすサランパッド村では、生活用水として地下水を使用していましたが、地震で水の流れが止まって断水し、清潔な水の確保ができていなかったと言います。A-PADインドネシアの支援によって、給水パイプとMCKが設置され、住民の一人は「被災後初めて清潔な水を得られるようになった」と語ってくれました。

 

 

仕事復帰を目指す被災者を支える

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A-PADインドネシアは、より長期的な視点で被災者の生活再建を支えるため、被災者自身が収入を得る機会も支援しています。
支援対象4村では、農業や酪農、食堂、携帯シムカードの販売、卵の販売、床屋など多様な職業の人が被災し、農業従事者には肥料や苗を、酪農従事者にはつがいのヤギを、食堂経営者には米や野菜を、携帯シムカード販売者にはシムカードの購入費用を、とそれぞれにニーズに合わせたサポートを続けています。対象者の選定に当たっては、地震でほぼ全財産を失い自力で収入確保の目途がつかない人、仕事を続けていく意思がある人などを対象としました。

これまでの支援を通じて、すでに利益が得られるようになった人も多く、コミュニティが得た収入を子どもたちの通学時の飲み水やお菓子として還元したり、新しく支援を受ける人へ引き継いだりしています。また、支援を受けている人が共同でバザールを開くなど、互いに協力しあいながら、地域の未来について語り合う姿も見られました。

 

家を失った人々へ仮設住宅を建設

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仮設住宅をはじめ、公民館のように地域の人々が集まる場所のニーズが増す中、A-PADインドネシアは仮設住宅の建設に必要な資材の購入費用もサポートしました。

被災者は最低でも1〜2年間、仮設住宅で生活することになるため、頑丈で耐久性のあるプライベート空間の確保が必要です。「仮設」といっても、より家屋に近い住宅を建設するため、コミュニティの若者らが協力して、倒壊した家屋の基礎を利用して建設しました。

支援した4つの村は、アクセスが悪く、支援の手が届きにくいため、被災した人々の暮らしはまだまだ厳しい状況です。そうした中、人々は「いただいた支援を生かして、地域のみんなで経済復興につなげたい」とたくさんのアイデアを出し合いながら、地域の未来について語ってくれました。