【A-PADフィリピン】台風被害のビコールで漁船140隻を提供
2021.07.21
2020年11月にフィリピンを襲った台風ゴニから9カ月が経ちました。推定の最大時速195マイル(秒速87m)の暴風を伴う台風は、上陸した台風としては「過去最強」と発表され、8地域の50万世帯200万以上もの人々に影響を与えました。特にビコール半島の被害は壊滅的で、人々の生活基盤である漁業と農業のコミュニティを荒廃させました。
A-PADフィリピンとビコール地域の企業Que Ricaは、ビコールで甚大な被害を受けたコミュニティの一つ、ラゴノイ湾の復旧・復興をサポートするため、クラウドファンディング「Fleet of Hope」(2020年12月〜2021年5月)を立ち上げました。そして、このたび寄付金として集まった7,000,000ペソ(約1,600万円)を活用して、ボートを失った漁師に電動漁船140隻を提供しました。
ラゴノイ湾は、マグロ漁などの漁業が盛んで、ビコール地域で最も重要な漁場の1つです。何千もの家族が漁業を通じて収入を得ていましたが、今回の台風で時速200kmを超える風が高潮を引き起こし、家屋、ボート、漁具が破壊され、地域コミュニティが流出していましました。
Fleet of Hopeプロジェクトでは、集まった寄付金を最も支援を必要とする人々に届けるため、現地パートナーによって設定された基準に基づき、支援の対象を、特に深刻な被害を受けた人や貧困層、シングル世帯などと決めました。現地パートナーは、ラゴノイ湾で活動するマグロ漁業プログラムの従業員で構成されるボランティアグループの「TindogBikol」と14のマグロ漁業者協会の連合体「Gulfof Lagonoy Tuna Fisher’s Federation、Inc.(GLTFFI)」の2組織。 でそれぞれラゴノイ湾沿いの都市や自治体を代表しています。コミュニティレベルでの活動はすべて、市や市の農業局(MAO)とバランガイ当局との連携によって進められました。
支援ニーズ調査にあたっては、コロナ対策を万全にとった上で、自宅訪問や対面インタビューを実施。漁業者が本当に必要とする船を設計するため、一人一人の声を聞き、専門家などとも連携しながら、ガソリンエンジンやプロペラなどの付属品がついたグラスファイバーのボートを用意しました。ボートを受け取った漁師の皆さんからは、たくさんの喜びのメッセージが届いています。