【A-PADスリランカ】モンスーンに備え防災ワークショップを実施
2019.05.21
「自然災害を防ぐことはできないけれど、リスクを減らす努力はできる」。
毎年のように集中豪雨やモンスーンに見舞われているスリランカで、5月16日から大規模な防災ワークショップが開催されています。主催するA-PADスリランカは、2018年にもメディアや地元パートナー団体と協力して、自然災害に脆弱な4地区で災害リスク軽減のための防災キャンペーンを実施しました。モンスーンの季節到来前に、発災時の心構えだけでなく、避難経路や避難方法、準備すべき防災グッズ、人命救助の方法などを具体的に知っておくことは大きな意味があり、参加者からは「その後に起きた水害で死者数の軽減に一役を買った」との声も届いています。
こうした経験を踏まえ、今年も5月16日から地元のパートナー団体「防災センター(Disaster Management Center:DMC)」や地元企業「Sirasa Gammadda」などとともに最初のストリートキャンペーンを開始。最初の会場となった西部州カルタラ県パリンダヌワラ地区には、650人もの人々が参加しました。
このプログラムの大きな特徴は、スリランカのライフセービングが伝授する、ペットボトルとスクールバッグを使った基本的な心肺蘇生法や水中での生存技術の実演です。 会場には、民間企業からも多数参加し社員を守るための対策も伝えられました。また、国や地方自治体、軍の関係者や民間ボランティアのメンバーも参加し、道行く人々に防災に関するステッカーやチラシ、ポスターなどを配布しました。
スリランカでは、2016年と2017年に自然災害により500人以上が命を落とし、社会経済的にも大きな損失を与えました。こうした災害を防ぐことはできませんが、こうした災害リスク軽減プログラムを積極的に行っていくことで、人々の防災力を高めていきたいと考えています。
A-PADスリランカ代表のハシム氏は、「災害リスク軽減について人々に継続的に教育することが、災害時の人命損失を最小限に抑えるための最善の方法です。人々はリスク軽減の取り組みを理解し実践し、家族の安全を守らなければなりません。これらのワークショップは、震災時に何をすべきかについて意識を高め、より深い理解をもたらすでしょう」と語ります。
スリランカでは、4月に大規模なテロが発生し、夜間外出禁止令が出されるなど緊迫した状況が続いていますが、そんなときだからこそA-PADスリランカは組織や宗教・人種の壁を超えた多角的で実践的な取り組みを続けています。深い悲しみと不安から乗り越えようとするスリランカへ、そして今年もまた大きな災害が迫るスリランカへ、どうかご支援・ご協力をお願いいたします。
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