【台湾 台風】豪雨による土砂災害、不明者の捜索を継続
2015.08.10
大型で非常に強い台風13号が台湾を通過して2日目の8月9日。アジアパシフィックアライアンス(A-PAD)とピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の緊急支援チームは前日に引き続き、行方不明者の捜索を展開しました。
初日に引き続き、62歳の男性が行方不明となっている台北市南部の集落を、救助犬2頭と10名のスタッフで捜索。午後からは地元消防からの情報をもとに、さらに南にある山間部の烏来(ウーライ)地区での捜索活動にあたりました。
烏来地区へアクセスできる唯一の道路は土砂崩れにより寸断され、緊急支援チームは現場まで山道を約1時間、徒歩で移動しました。道路寸断により孤立した同地区の水、電気は完全にストップしているほか、地元警察や消防などによる捜索の手も十分に行き届いていません。
土砂崩れが発生した現場では大量の土砂や巨石、倒木により家が完全に押しつぶされていたり、家の土台が崩れたことにより大きく傾いた家など、甚大な被害が見られました。活動中に雨が降ったこともあり、足場の悪い中で懸命に要救助者の捜索にあたりましたが、発見には至りませんでした。
新北市の烏来地区は台北市から約1時間とアクセスもよく、台湾で有名な温泉街として知られており、川沿いには多くの温泉宿が並んでいます。しかし、そのほとんどが土砂災害の被害を受け、営業再開までには多くの時間を要するものと思われます。
今回、台風の襲来直後に現地で対応できたのは、被災を予想して台風が上陸する2日前に出動し、現地にて予め待機していたこと、そして受け入れ先のNGOや関係機関との綿密な調整があったからこそだと思います。このような平時からの準備と事前展開は、「一刻も早く、一人でも多く救う」ために必須と言えます。
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