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【A-PADインドネシア】エキシビジョンミーティング:「災害に強い観光村」、「ホテル防災認証制度」2つのセッションを実施

2025.12.11

2025年12月4日、A-PADインドネシアは令和6年度日本 NGO 連携無償支援協力事業の締めくくりとなる「エキシビションミーティング」をバリ州で実施しました。

事業実施3州の村長やフォーラム、ホテル防災認証チーム代表が集まり、1年間の成果や優良事例、学びを可視化した展示とともに、地域間の知識交流の促進を目的とした開催です。

本会合の後半では、「災害に強い観光村」、「ホテル防災認証制度」をテーマとした2つのセッションが行われました。

Session 1

●セッション1:災害に強い観光村 

モデル村3村より村紹介と1年の取り組み事例共有について発表されました。

<西ヌサトゥンガラ州(NTB)州>

バトゥクンブン村はロンボク政府が指定した60の観光村の1つ。2021年から観光村コンテストに参加している。

A-PADインドネシアの「災害に強い観光村」事業により、レジリエンス力を備え合わせていくことで、地域能力と観光村の競争力が向上。

<東ヌサトゥンガラ(NTT)州>

以前は孤立していたゴロモリ村は、インフラ整備によりアクセスと観光資源が開拓され、ヘリポート・埠頭を備えたMICE開催地(会議/インセンティブ旅行)へ発展。

この一年で、災害対策が観光地開発の重要要素になった。地域社会協働による世界クラスの観光地化を目指す。

<バリ州>

津波・噴火・洪水の危険性がある地域であるため、この1年での防災プログラムは減災計画・訓練・シミュレーションに重点を置き、住民の備えを強化することができた。

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このセッションでは持続的な観光レジリエンスを確立していくための今後の視点を共有し、

・自然機能(例:保水地域)を損なう観光開発のための土地転用を回避
・防災体制の整備自体が観光魅力として活用(安全・快適さの認識が訪問者の関心を高める)されていくことが大切

という点について共通認識をあらため、「災害に強い観光村」事業の重要性を確認しました。

 

Session2

●セッション2:ホテル防災認証制度

各州の認証チームによる共有が行われました。

<バリ州>

災害発生前に宿泊施設を可能な限り整備することを目的とし、検証には州防災局、観光局、保健局、公共事業・住宅局などが関与している。評価項目は、災害知識、軽減策、防災対応能力、安全対策など詳細な指標付き。今後の拡大において、関係者全員への包括的利益について検討が必要。

西ヌサトゥンガラ州(NTB)

災害に強いホテルの検証には全関係者の連携が必要。NTB州は2024年に正式に検証チーム設置決定書が発令された。評価要素は「建物」「システム」「管理」に分類され、成果基準は低/中/高に設定。31の検証項目の中で、最も検証結果の評価が低い(=NTB州のホテルの全体的な脆弱な部分)は「管理」分野。

東ヌサトゥンガラ(NTT)州>

国家優先観光地として位置付けられており、洪水、鉄砲水、異常気象、津波、土砂災害などの災害リスクを有する。約100の星付きホテルのうち、今年は検証を実施したホテルで基準を満たしていたのは60%であった。改善の必要性があり、2026年の強化対策について計画を立てた。重点は検証の量ではなく質にあり、管理要素の強化が依然として求められる。

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また、インドネシアホテルレストラン協会(PHRI)と観光省からは、以下の考察が示されました。

・  計画的活動(日常の防災活動)と非計画的活動(災害発生時)におけるリスク管理の重要性の共通認識。

・  準備態勢は外国人観光客の安全感を高め、観光地のイメージ向上につながる。

・ 見落とされがちな細部:人間工学(Ergonomic)、障がい者アクセス、日常的な安全対策である。

・ ホテル防災認証制度は需要圧力(demand pressure) を創出する必要がある。これにより認定取得ホテルが観光客の優先選択肢となっていくべきである。旅行セクターへのプロモーション/オンラインプラットフォームで認定済みホテルを優先的に掲載するなどして、インセンティブ制度(プロモーション/優先アクセス)を構築し、 ホテル防災認証制度が宿泊施設にとって付加価値/メリットとなるようにする。

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以上の2つのセッションを通じて、各地域の事例やノウハウの共有、今後の課題や展望について参加者間で共有されました。

関係者一同、今回得られた知見を活かし、インドネシアの観光業における災害へのレジリエンス強化に尽力していきます。