【A-PADインドネシア】洪水の被災地で支援に向けた調査を開始予定
2025.12.09
2025年11月下旬からの長引く豪雨により、インドネシア・スマトラ島の大部分、特にアチェ州、北スマトラ州、および西スマトラ州で深刻な洪水と地滑りの影響が続いています。
2025年12月7日時点のBNPB(国家防災庁)の報告による被害状況は以下のとおりです 。
- 死者数: 940人
- 行方不明者: 276人
- 負傷者: 約5,000人
- 家屋被害: 147,300軒以上
- 影響を受けた地区/市: 52
広範囲にわたって公共インフラが被害を受けており、公的サービスへのアクセス、移動、および支援物資の配布に支障が生じています。
この状況を受けて、A-PADインドネシアは12月10日頃から中央タパヌリ県に現地入りし、アセスメント実施後に支援対象地区(村)の選定を行い、水や衛生面の支援を展開する予定です。加えて、インドネシア商工会議所(KADIN)
また、現時点で確認されているニーズや支援状況は以下のとおりです 。
■ 緊急のニーズ
シェルターおよび救援物資:浸水や地滑りの被災地において、避難者のためのタープ、毛布、寝具マットなどが必要。
食料支援:交通アクセスが限られた地域では、調理済みの食品や栄養補助食品が必要。
水、衛生の支援:清潔な飲料水の供給は特に優先度が高く、衛生キットや一時的な衛生施設も必要。
保健サービス:皮膚感染症、下痢、急性呼吸器感染症など、洪水に起因する疾患に対処するための移動式保健サービス、基本的な医薬品、および疾病予防策が必要。
交通アクセス、物流の支援:特に地滑りの影響で孤立した地域に支援を届けるために、瓦礫の除去、アクセス道路の復旧、および安全な輸送ルートの確保が不可欠。
■ 人道支援アクターとボランティアの配置
2025年12月7日(現地時間午前6時)時点で、以下の支援体制が築かれています。
支援者の配置: 262の人道支援組織から9,966人の要員を配置
参加組織: 国内および地方のNGO、宗教団体、コミュニティグループ、ボランティアネットワーク、民間財団、政府機関など
■ 現在の課題
アクセス制限:地滑りや洪水により道路網が寸断され、一部地域へのアクセスが制限され、タイムリーな援助の提供が妨げられている。
支援の偏在化:特定の地域に支援が集中するなど、支援が偏在している。
支援物資や水の不足:一部の地域では、シェルター資材、衛生キットなどの救援物資や清潔な水の供給支援が不足している。
天候関連のリスク:継続的な降雨と不安定な気象パターンは、洪水や地滑りなどの二次被害のリスクをもたらし、支援計画や活動にも影響。
A-PADインドネシアは、引き続き状況を注視するとともに、被災地での調査や支援活動を迅速に展開していきます。




