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【A-PADバングラデシュ/メディア掲載】セクター間のつながりで救う命 気候変動と地域保健に配慮した災害支援モデル

2025.07.18

A-PADバングラデシュの気候変動災害に向けた取り組みが、AVPNのサイトで紹介されました。

“Bridging Sectors, Saving Lives: A-PAD Bangladesh’s Model for Climate-Sensitive Disaster Response”

※AVPNとは:

アジア最大の社会的投資家ネットワークであり、CAF (Charities Aid Foundation) Internationalに認定された非営利活動組織。政策立案者、ファミリー・オフィス、財団、民間セクター間の連携のもと、アジアにおけるSDGsの格差解消に向けたインパクトと資金循環の増強に取り組む。

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<以下、掲載記事より抜粋>

2018年以来、A-PADバングラデシュは、災害対応におけるマルチセクター連携モデルの先駆者として、気候変動や緊急時における備えを主導してきました。このネットワークは、政府機関、NGO、民間セクターパートナー、国際機関など61の組織で構成され、共通のプロトコルと運用体制によって結束。また、定期的な調整会議と合同訓練により、多様なパートナーが効果的に連携できるようA-PADバングラデシュが支援してきました。

このアプローチは、2024年に発生したサイクロン・レマルや洪水などの気候変動災害においてその効果を発揮。広範囲にわたるインフラ被害のなか、感染症予防、救急医療、食料安全保障など、9万人以上の人々に包括的な保健支援を迅速に届けることができました。

緊急対応に加えて、A-PADバングラデシュは、日本外務省の支援を受け、訓練を受けたヘルスワーカーを国内8つの管区に配置し、定期的な家庭訪問、健康教育の提供、早期警報伝達などの活動も行っています。このプログラムは2024年、災害発生時に活用できる健康知識と防災意識の向上を通じて、3万人以上に貢献。また、緊急時、ヘルスワーカーは地域社会をより広範な支援ネットワークに繋ぐ重要なコーディネーター役を担います。

さらに、A-PADバングラデシュは女性を対象とした防災研修を行っています。バングラデシュの家庭では女性が主要な介護者や健康の意思決定者となることが多い一方、気候災害時には脆弱な状況におかれます。研修では8地区の女性を対象に、水災害時の応急処置、避難手順、子どもの救助方法などを確認しています。また、緊急時を想定したシナリオベースの避難訓練も実施。ジェンダーに配慮したこのアプローチは、地域社会全体に相乗効果をもたらします。

このようにA-PADバングラデシュの取り組みは、マルチセクター連携により、断片化された緊急対応を包括的な気候変動適応インフラへと変革できることを示しました。今後もこの連携モデルを通じて、気候と健康の課題に対する長期的なレジリエンスを構築し、より多くの人々の命を守れるように尽力していきます。