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【現地レポート】スリランカ中西部サバラガムワ州の被災地へ

2024.07.28

A-PADの日本人スタッフが7月中旬、調査のため、スリランカ中西部サバラガムワ州を訪問。 自治体や企業、病院、紅茶農園などのほか、6月の豪雨で地滑り被害にあった被災地を訪問し、被害にあった人々に話を聞きました。以下現地レポートをお届けします。

7月-1農夫からの聞き取り

スリランカは、2022年に経済危機に見舞われ、暴動が発生し、大統領が国外に逃亡、首相が「国家破産」を宣言するという異常事態に陥った。あれから2年、日本や世界銀行などからの支援を受けて復興への道を歩んでいる。コロンボ市内のホテルにいる限り、まちが混乱している様子はなく、経済が破綻した国であるとは信じがたい。しかしコロンボを一歩出ると、人々の生活レベルは歴然とした違いが見てとれる。

7月-2地方行政担当者との面談

特に今回訪問したサバラガムワ州は印象的だった。コロンボから北東に約100キロ、丘陵地帯で小高い山があり、気温が低くて過ごしやすい。19世紀に英国人によってつくられたまちと言われ、あちこちに紅茶農園(Tea Plantation)が広がる。今でこそ農園のオーナーは英国人からスリランカ人に変わっている農園が多いが、紅茶農園で働く子どもや大人の生活は厳しい。作付は決まった計画があるわけではなく、農民は適当に植林した木々を伐採して果物や野菜を作る。「こういう乱開発が土砂崩れを起こしている」という人もいた。

ヒアリングの結果、地域住民への防災啓発活動などがあまり実施されておらず、まずは地域のリーダーとなる人への教育が課題であることが見えてきた。人々の命を守るための防災啓発活動を充実できるよう、今後、事業を策定していく計画だ。

(執筆:岸川いづみ)