【A-PADジャパン】広島のクラスター施設で医療支援〜空飛ぶ捜索医療団の一員として
2021.01.12
3市4施設で医療支援活動
A-PADジャパンが参画する「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」は、昨年12月19日から1月8日まで、クラスターが発生した広島県3市内の2医療機関と2福祉施設に医師、看護師、調整員ら計6人を派遣し、支援活動を実施しました。
空飛ぶ捜索医療団は、年末年始を含む約3週間、施設の要請に基づいて順次スタッフを派遣。以下は、12月29日から1月3日まで調整員として、病院を含む3施設で活動したA-PADジャパンの柿澤福郎からの報告です。
広島県では、12月中旬、医療機関や福祉施設などで、複数の患者や職員が陽性となる「クラスター」が相次いで発生し、人口当たりの新規感染率が全国で4番目に高いとされました。
そうしたなか、空飛ぶ捜索医療団を運営する3団体の一つで広島県に本部を置くピースウィンズ・ジャパンに、病院や福祉施設などから支援要請がありました。
派遣先の一つでは、空飛ぶ捜索医療団の医師2人の指導のもと、まずゾーニングを実施するとともに、PPE(防護具)の着脱方法などを職員の皆さんに伝えることから始めました。そして、ゾーニング後も、休みなく働き続ける医師や看護師の皆さんのサポート役に徹しました。
医療従事者以外にもできる施設支援
今回、派遣されたメンバーには、私を含めて医療従事者ではない人も含まれますが、調整員はゾーニングの際に床にテープをはったり、院内の清掃・消毒やゴミ出しをしたりなど、医療者でなくてもできる支援を積極的に行いました。私は物品管理を担当している看護師さんのサポートとして、医療物資の補給や整頓にも携わりました。
年末年始は医療従事者だけでなく、行政職員も休みなく働いていたため、空飛ぶ捜索医療団では関係資料の作成や施設状況の報告など行政職員のサポート役にも尽力しました。
私たちにも感染のリスクがないわけではありませんが、今から半年以上前の2020年春、クラスターが発生した長崎停泊のクルーズ船への支援において、感染症対策の専門医などとともに活動した経験も、今回、大いに役立ったと思います。
最前線で闘う医療従事者を継続支援
支援に入った施設の内外では、職員の皆さんが日常生活を犠牲にしながら働いていました。なかには3週間近く、ほぼ休みなく働いている看護師や、年末年始も家族と一緒に過ごせない方もいます。私たち空飛ぶ捜索医療団の民間医療支援の役割は、医療的なサポートに加え、心身のケアや社会に潜むさまざまな課題を見つけ解決に向けて尽力していくことだと改めて思います。
引き続き最前線で闘う医療従事者の皆さんをサポートしていきます。
空飛ぶ捜索医療団リーダー・稲葉医師のインタビュー記事はこちら