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【A-PADインドネシア】「防災の日」に小学校の避難訓練をサポート

2025.05.02

4月26日はインドネシア防災の日(ハリ・クシアップシアガアン・ブンチャナ・ナショナル)。自然災害が多発する中、訓練・教育を通じて国民の防災意識を高めるため、国家防災庁(BNPB)が災害対策に関する大統領令を制定した日で、日本の防災の日(9月1日)からもアイデアを得たと言われます。2017年から毎年、国をあげた記念式典が開催され、2025年はA-PADインドネシアの事業地の一つ、西ヌサトゥンガラ州マタラム市で実施。各地で避難訓練も実施されました。
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式典には、国家防災庁スハリヤント長官(陸軍中将)、西ヌサトゥンガラ州知事らが出席。障がい者サービスユニット(ULD NTB)による劇の演出や、インドネシア各地で実施された一斉訓練のオンライン中継など、災害発生時の対応について考える多様な催しが行われました。
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一斉訓練では、インドネシア全域の小・中学校、高等専門学校で、災害時の避難や救助の方法などを学ぶ災害時のシミュレーション訓練が行われ、約7,000校の学校から140万人以上が参加。災害避難シミュレーションの参加者数が過去最多となり、インドネシア世界記録博物館(MURI)から国家防災庁へ、記録更新の認定書が手渡されました。
学校での訓練実施にあたっては、A-PADインドネシアのスタッフも西ロンボク県内3つの小学校で教員や生徒たちをサポート。安全に素早く避難できるよう支援しました。
レンバク第三小学校 3
 A-PADインドネシアが協力した学校の一つ、サンディック第二小学校の校長先生は「A-PADインドネシアの皆さんのおかげで避難訓練を無事に終えられ安心しました。避難訓練の実施は生徒だけでなく学校全体にとって大きな学びになりました」と語ってくれました。また、同行のシティ・マイムンキ・プスプリナ先生は「この避難訓練を通じて、実際に地震が発生した際に教師としてどのような動きをすればよいのか学ぶことができた」と振り返ります。生徒のバイク・シルフィア・スマイヤさんは、「とても楽しかった。地震が起きた時にパニックにならず、どうすればよいか、わかった」と笑顔を見せてくれました。
 ムカルサリ第一小学校 1
また、レンバク第三小学校では、「生徒たちに災害時の安全や迅速な行動の重要性を学ばせることができ、本当に感謝している。実践的なシミュレーション訓練はスムーズに実施でき、生徒たちは一連の訓練にとても熱心に取り組んでいるように見えた(校長先生)」「生徒だけでなく教師である私たちにとっても貴重な経験になった。避難時の規律や生徒を誘導する際の教師間の連携などまだまだ見直すべき点もあるが、多くの生徒が地震発生時にとるべき行動を理解し実践していた(スプラトマン先生)」などのコメントが寄せられました。生徒のコフィファ・ラオザさんは「机の下に避難したり、頭を覆って集合場所に向かったり、医療チームの一員として教室に取り残されたクラスメイトを救助したり、多様な訓練を通じて本当に地震が起こった状況にいるように感じた」と語りました。

 

避難訓練をサポートしたA-PADインドネシアのスマイディ(西ヌサトゥンガラ州コーディネーター)は、「幼い頃から減災の重要性を学ぶことはとても大切。生徒、教師、学校コミュニティ全体が連携し、緊急事態に適切かつ迅速に対応できるよう訓練することで、子どもたちは自らの身を守ったり周囲を助けたりできるはず」と強調。災害リスクに対するレジリエンスを高める上で、学校や地域、NPO、ボランティア団体など様々な関係者の連携が不可欠で、こうした訓練が協力関係を深めるために重要だと語りました。
災害に強い地域社会を構築する取り組みの一環として、A-PADインドネシアでは今後、洪水や火災など個々の地域によって異なるリスクに応じた様々なタイプの災害シミュレーション訓練を加えたり、保護者の参加を通じて家族全体の理解を深めたり、多方面のカリキュラムや課外活動に災害教育を取り入れていくことを検討しています。平時に培った関係者間の連携を災害時に活かせるよう、今後も訓練に力を入れていきます。