【A-PADバングラデシュ】スタッフインタビュー 〜CISのナズムルさん
2025.03.30
アジア6カ国が加盟するA-PADでは、各国・地域で様々な経験や専門性をもつスタッフが、それぞれの強みを生かして働いています。スタッフインタビューの連載企画では、このたびA-PADバングラデシュと連携するネットワーク組織「コミュニティ・イニシアティブ・ソサエティ(CIS)」の緊急保健師、ナズムル・
Q. A-PADで働き始めたきっかけを教えてください。
A.ダッカコミュニティ医科大学(医学部)を卒業後、ダッカコミュニティトラスト (DCHT)で防災分野のメディカルオフィサーの募集があり、応募。採用されました。
Q.これまでと現在の業務について教えてください。
A.DCHTの防災メディカルオフィサーとして、モバイル医療アプリや消防アプリの活用、子どもたちの栄養状態を改善するための「チルドレンフードショップ」のメンターなどを務めました。また、2018年の一年と、2020年から2022年にかけて、A-PADバングラデシュのナショナルプラットフォーム(NPF)の拠点の一つ、バゲルハット県でプロジェクトスタッフとして緊急保健分野を担当しました。さらに、2022年から2024年まで、マレーシアのNGOとのパートナーシップのもと、ロヒンギャ難民キャンプ内にある保健センターのプロジェクト責任者を務めました。センターが閉鎖された後、現在はダッカのコーディネーションセンターで緊急保健担当官として再びA-PADのNPFプロジェクトを担当しています。
Q. 仕事のやりがいは?
現在の業務は、すべて公衆衛生の問題に関連しています。大学のMBBS(医学学士過程)3年次に、公衆衛生や健康の増進、予防、疫学、社会的健康開発などを中心に「地域医療」について学びました。授業の中で、現場を訪問して人々とコミュニケーションをとり、データを収集・分析して報告書として発表する機会がありました。当時、現地視察をきっかけに公衆衛生分野に興味を持つようになり、それが現在の職場を選んだ理由です。
Q.仕事で困難を感じることは? 難しい課題をどのように克服していますか?
A.入職したばかりの頃は、地域の人たちとコミュニケーションを取るのが大変でした。スラムで暮らす人々からは、目に見える支援、つまり食べ物や金銭を要求されがちです。しかし、私たちの支援は、緊急時を除いて無料の医薬品などはありません。
でも、平時にコーディネーションセンターで無料の健康診断を始めたところ、多くの人が私たちの役割を理解してくれるようになり、緊急時にも協力してくれるようになりました。
スタッフ同士はいつも協力し合っていますが、外部とのやりとりの中で難しさを感じることもあります。日々の活動は、政府のNGO事務局や地元自治体の許可を得て行っていますが、法的な書類や当局の許可について厳しい指摘を受けることもあります。そこで、地域のコミュニティリーダーにコーディネーションセンターへ来てもらって、活動見学やブリーフィングの機会を提供し、活動への理解や参加を促しています。活動を円滑に進めていく上で、地方自治体と良好な関係を築けるよう心がけています。
Q.最後に一言お願いします。
NPFプロジェクトでは、DRR(災害リスク軽減)と災害管理に焦点を当てつつ、防災と健康に関する問題に並行して取り組んでいます。災害とは自然災害だけではなく、例えばパンデミック(感染爆発)も災害だと思います。
今後、特に健康問題に関わる役割があれば、ぜひ携わりたい。このプロジェクトをさらにインパクトのあるものするためにも、より活躍できるよう努力したいと思います。