【インドネシア・ロンボク島地震】負傷者数千人・・・今すぐ患者を救いたい!
2018.08.10
インドネシア国家災害対策庁は5日のロンボク島の地震の死者は計259人に上ったと明らかにしました(9日時点)。負傷者は千人以上、避難者は27万人を超え、甚大な被害を前に救助の手が足りていません。
インドネシア政府は、軍や国家防災庁を中心に緊急対応を開始し、ロンボク島の中心地シティホールに対策の拠点と、避難所となるテントを設置。物資の配給などが始まり、けが人も次々に運びこまれてきています。
インドネシア政府は国際支援の表明をしておらず、域内で活動している国際NGOも未だ現地チームのみで活動を展開しています。しかし、現地で対応にあたっている行政や支援関係者は、「今回の被災規模は大きく、地元NGO、現地行政のみではその対応能力をはるかに超えている」と訴えています。
政府の発表前から被災地入りしていたA-PADの緊急支援チームは、現在、特別の許可を得て支援を行っています。短期間でも、現地NGOや現地行政と密接に連携しつつ、その支援ギャップを埋めるような支援が必要とされています。
現在、日本の医療チームと救助犬捜索チーム、台湾レスキュー隊の3チームが、A-PADインドネシアやローカルNGO「ACT」の活動をサポートしています。
医療チーム率いる佐賀大学医学部付属病院高度救命救急センター長の阪本雄一郎医師は、昨日、特に被害の大きかったカヤンガン地域のセレンゲン地区に入り、地震で外傷を追った患者らの診療を行いました。また、約200名ほどの自主避難者が集まるドンポ地区でも診察・治療を行い、医薬品の提供なども行っています。
診療を開始した初日には、地震で被災し足に血を流してケガをした少年を治療。その際、痛みが少しやわらぎほっとしたのか、少年は「日本のお医者さんありがとう!」とハグしながら泣いて喜んでくれました。
「地震で外傷を負い重症な患者が少なくなく、救急搬送も行っている。他の支援団体が入れない中、いち早く現地入りした意味は大きい。さらに効率的な医療支援につなげたい」。こう話す阪本医師は、実はドラマ『コードブルー』のモデルであり、国内外の数々の緊急医療の現場をリードしてきました。「医師の数が足らない」と訴える現地の病院やACTをサポートするため、診療だけでなくより効率的にたくさんの患者を診療できる体制づくりの提案なども行っています。
島内の奥地では、まだ被害の実態が明らかになっていない場所もあります。捜索救助チームは、さらに奥地へと進み、行方不明者の救助に向けて調査を続けています。また、ローカルNGOの「ACT」はロンボク島の各地で、すでに避難者用の簡易キッチンなどを貸し出し、ボランティア組織と連携して、水や食糧、キッチン用品などを提供しています。
日本をはじめアジア各国から災害支援の専門家が集うA-PADグループならではの緊急支援に、ぜひご関心をお寄せください。