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【AHAセンター日本研修】防災のリーダーへ、ASEAN加盟8か国より16人が参加(前編)

2015.05.23

日本の経験をASEAN各国へ: 地域国際機関であるアジアパシフィックアライアンス(A-PAD)は5月11日より約1週間、インドネシアにあるASEAN防災人道支援調整センター(以下、AHAセンター)で学ぶ、ASEAN加盟国8か国から各2人、合計16人の研修生を受け入れました。

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AHAセンターが約半年間にわたって実施する、加盟各国の防災部局職員に対する研修プログラム「AHAセンター・エグゼクティブ・プログラム」(ACEプログラム)の一環です。同プログラムでは防災に関する知識・能力を身に付け、ASEANにおける防災のリーダーとして活躍する人材育成を目的としており、研修生の受け入れは今回で2度目となります。

日本での研修の前半は東日本大震災で甚大な被害を受けた南三陸町をはじめ、自然災害科学に関し世界最先端の研究を推進している東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)、復興庁宮城復興局などを訪問。後半は阪神・淡路大震災の被災地を訪問し、地域の取り組みを学び、行政主導の復興事業の現状等を視察しました。前編では東京、東北での様子をお伝えします(後編では神戸訪問の様子をお伝えします)。

「行政、企業、NGOの連携を強調」

5月11日、研修生16人とAHAセンター職員2人を迎えたレセプションには、外務省国際協力局民間援助連携室長の江原功雄氏、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム事務局長の飯田修久氏が出席し、研修生を激励しました。江原氏は「災害が発生した時、NGOとの協力は一つの重要なポイント。そのためには皆さんの協力が必要」と、行政、企業、NGOの連携を強調しました。

「自然災害の残酷さ」

東京から約4時間。新幹線とバスを乗り継ぎ到着した南三陸町では、かさ上げ工事が進む沿岸部、仮設の商店街、そして標高約15メートルの高台にありながらも一階部分が津波の被害に遭った町立戸倉中学校を訪問しました。

ここでは、観光ボランティアガイドを務める後藤一磨さん(68)が、津波が襲ってきた時の様子を伝えるとともに、「今回の津波は想像を超えた。災害には防げないものもある。逃げることが一番大切」と研修生に訴えました。また、勝倉彌司夫(やすお)さん(82)は、チリ地震津波や今回の津波の経験を共有するとともに、震災以前の南三陸についても紹介。「私は南三陸で生まれ育った。皆さんに一日も早く復興した姿を見せたい。ここで学んだことをそれぞれの国に持ち帰って生かしてほしい」と話しました。

その他、震災から現在までの行政の取り組みについて、南三陸町の佐藤仁町長が説明。「震災から4年以上が経ったが現在も仮設住宅に住んでいる被災者は多い。復興はまだまだ。二度と津波の被害を出さないために私たちの町では高台移転を決め、造成工事を進めている。しかし、住環境が変わるたびにコミュニティが壊れてしまうことも自然災害の残酷さの一つだ」と説明しました。

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東北ではその他、東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)、復興庁宮城復興局を訪問。ASEAN諸国での防災の取り組みや、東日本大震災から現在に至るまでの行政、NGOの事業について専門家や担当職員と活発な意見交換を行いました。

研修生の日本研修の様子は後半に続きます。