【A-PADインドネシア】北スマトラ州 洪水被災地での緊急支援を実施
2026.02.05
2025年11月下旬から12月にかけてインドネシアの北スマトラ州では記録的な豪雨が続き、大規模な洪水や土砂災害が発生しました。これを受けてアジアパシフィックアライアンス(A-PAD)インドネシアは1月25日から28日にかけて特に被害の大きかった5つの郡でモニタリングおよび緊急支援を実施。以下、現地での支援実施状況や被災地の状況についてご報告いたします 。
■支援実施状況
洪水により既存の井戸が埋まるなどの被害が出たため、生活用水の確保が最優先課題となっています。今回設置した施設や水ポイントの数は以下のとおりです。
・MCK(※)設置 合計:27か所(パンダン郡、トゥカ郡、バディリ郡、ソルカム郡)
・清潔な水ポイント 合計:62か所(パンダン郡、トゥカ郡、バディリ郡、ソルカム郡、西ソルカム郡)
※MCK=沐浴場・洗濯場・トイレの機能を持つ施設のこと
■ 各地域の被災状況
●パンダン郡 (被益者3,625世帯/11,485人)
湧き水を引いて一帯の住民へ配管設置を進めています。警察機動隊(Korps Brimob: The Mobile Brigade Corps) との連携により、深さ20〜30mが必要な井戸の掘削が可能となりました。また、各地区のキーパーソンなどから情報収集を行い、支援先の選定につなげました。
●トゥカ郡 (被益者1,660世帯/6,422人)

洪水被害の起点となった上流地域であり、現在、上流はレッドゾーン(退避勧告地区)・支援介入禁止地区に指定されています。特産のドリアン農園が壊滅的な被害を受け、避難所には現在も多くの世帯が身を寄せている状況で、経済復興が大きな課題です。また、現在の水質は炭酸カルシウム含有量が多く、農地の回復や作物栽培にも影響が及んでいます。
●バディリ郡 (被益者5,474世帯/5,908人)
地下水・川の水を汲んで生活用水にしていましたが、洪水で既存の井戸が埋まり使用不能となったため、新設した貯水タンクが住民の貴重な水源となっています 。

ロピアン第一小学校のRusudi Waruwu(ルスディ・ワルウ)校長によると、発生当時は水位が頭の高さまで上昇し、命からがらボートで救出されたことなど、緊迫した様子が伝えられました。また、学校は再開したものの多くの生徒が制服を失ったほか、職員室や宿直室が泥まみれで清掃の手も付けられていないなど、いまだに深刻な被災状況が続いています。
●ソルカム郡・西ソルカム郡 (被益者910世帯/2,846人)
パンダン郡から山道を1時間ほど走った先にあり、A-PADインドネシア以外の支援が届いていない地域です。地盤沈下で家屋が傾くなどの被害が確認されており、継続的な支援が必要とされています。
乾季に入ったインドネシアでは地下水量の減少が懸念されるため、設置した設備が適切に管理され、安全な水が供給され続けるよう水質検査や住民による自主管理が求められます。A-PADインドネシアは今後も現地の関係者と協力し、継続的な情報収集や必要な支援を行っていきます。
■今後の支援予定
2月以降は以下の支援を検討しています。
・企業寄付による浄水器500個およびソーラーランタン65世帯分の配布
・被災した小中学校10校への制服・スクールキットの配布
・予算に応じた衛生啓発ワークショップの開催
被災地が一日も早く元の生活を取り戻せるよう、A-PADインドネシアは引き続き現地のパートナーや行政と連携し、復興のサポートを続けていきます。












