地震発生から128時間、生存者を発見
2023.02.12
2月6日の地震発生から128時間が経過した被災地で、また一人生存者を見つけることができました。
A-PADの現地連携団体GEAは、発災後、トルコ中から総勢287人のメンバーが集まり、最も被害が大きかったハタイ県のイスケンデルンで捜索と救助を開始。「崩れてきた建物の下敷きになっている身内がいる。助けてほしい」など、GEAのもとにはこれまでに2,078 件の通報が寄せられ、チームはイスケンデルンとアンタキヤで合わせて 113 のがれきサイトで捜索を行ってきました。
2月7日にGEAと合流し、捜索・救助活動のサポートを続けてきたA-PADの黄春源(下の写真:右から3人目)は、「私はこれまで30年以上、世界各地の被災地で捜索救助に携わってきましたが、これほど厳しい現場はかつてないかもしれません。建物の下敷きになっている人の状況を把握するのは難しい場合が多く、一人の救出に7時間以上かかることもあります。助けてほしいというたくさんの声に懸命に応えようと努めていますが、今もまだ1万人以上の人が発見されずに埋まっていると予想されます」と言います。
そのような厳しい状況の中、捜索救助のプロ集団であるGEAは、2月11日までに39人の生存者を発見し、救出しました。GEA代表のウムット・ディンチシャーヒン氏は「2月11日に見つかった生存者は発災から128時間が経過しており、私たちは絶望的な状況の中でも小さな光を見つけようとしています。まだ諦めません」と、捜索活動を続けています。
また、A-PADは日本から派遣された「空飛ぶ捜索医療団ARROWS」の一員として、10日から避難所への物資支援の活動に加わっています。ARROWSはトルコ中南部の都市アダナに拠点を置き、ニーズ調査を続ける中、ハタイの避難所や、支援が手薄になっている郊外のアルスズなどで、水、食料、ブランケット、お菓子、衛生用品などの緊急支援物資を届けました。大規模な災害を前に支援を一度も受け取っていない人も多く、物資を届けると抱き合って涙を流して喜ぶ人々もいました。
ARROWSでは現在、通訳や車両の手配などトルコの皆さんの協力のもと、必要とされる物資をパッケージにして届けるための物資調達・パッキングの作業を進めています。
また10日、A-PADの黄の出身地である台湾から、「トルコの被災地に向けてテントを届ける準備が完了した」と連絡がありました。被災地では、避難所の整備が追いついておらず、路上で暖をとっている人が少なくない中、人々が身を寄せる場所の確保が急務となっており、A-PADはテントを受け取り次第、被災した人々に届ける計画です。
世界7カ国が加盟するA-PADでは、加盟国間で連携し、被災地に最大限の支援を届けられるよう尽力しています。
引き続きご関心をお寄せください。