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【A-PADバングラデシュ】村全体が浸水。ボートの上で診療や物資支援を継続

2022.07.09

 

モンスーンの影響で大雨が降り、「数十年に一度」の大規模な浸水被害が発生したバングラデシュでは、先月、数百万人が避難を余儀なくされ、今も多くの人々が水没した村で生活しています。A-PADバングラデシュは、4地域の支援チーム計28人を洪水の被災地に派遣し、各地で支援活動を続けています。日本に事務局を有するA-PADは、現在、クラウドファンディングサイトReadyforにて甚大な被害を受けたバングラデシュの被災地を応援するためのご寄付を募っています。https://readyfor.jp/projects/bangladeshflood2022

 

村全体が今も浸水しているナホルホラ村。ボートを使って移動を余儀なくされる人々

村全体が今も浸水しているナホルホラ村。ボートを使って移動を余儀なくされる人々

 

 

バングラデシュ北部マイメンシン管区の中心都市マイメンシン県では、支援が行き届いていない遠隔地の村で支援活動を行っています。現在、村へは近隣の町からボートを使って3時間ほど移動しないと辿り着くことができません。

中でもナホルホラ村では、村全体が依然として1メートル近く浸水しており、A-PADバングラデシュチームはボートを使って村の支援物資集積所へ食料などを届けています。また、村人たちもボートを使って集積所まで支援物資を取りに来ています。

 

「10日間干し米だけでしのいでいた」と涙を流すジャミラさん

「10日間、保存食だけでしのいでいた」と涙を流すジャミラさん

7月初旬、支援物資を受け取りに来た4児の母・ジャミラさんは、洪水があった夜、急激に押し寄せた濁流の中に家族全員が取り残されてしまいましたが、駆け付けた救助隊員に救助されなんとか助かりました。自宅や財産、飼っていた牛やヤギ、アヒルなどの家畜もすべて水に流されてしまい、発災後10日間も干し米(保存食)しか口にしていなかったそうです。A-PADバングラデシュのスタッフが食料を届けると「10日ぶりに食料を手にすることができた」と涙を流していました。

 

ボートの上に設置した診療所で診察するA-PAD医師 (1)

ボートの上に設置した診療所で診察するA-PAD医師 (1)

また、A-PADバングラデシュの医療チームは医師らが中心となって被災した地域で診療活動を続けていますが、村全体が浸水していて陸地に診療所を設置することができず、ボートの上で診療活動を続けています。村人たちもボートに乗ってこの診療所までやって来て診察を受けています。